■糖尿病の診断 下記のいずれかを確認できれば「糖尿病型」とします。 @ 随時(食事や採血の時間に関係なく)血糖値が200 mg/dl以上 A 空腹時血糖値が126 mg/dl以上 B 75gの糖を摂取したあと(ブドウ糖負荷試験)、2時間後の血糖値が200 mg/dl以上 C ヘモグロビンA1cが6.5%以上 (ヘモグロビンA1cは、最近1〜2ヶ月の血糖の平均値をあらわす検査値です) ストレスのない状態での高血糖を確認が必要です。 検査のときに、たまたま血糖値が高かったという可能性があり、なるべく1カ月以内の別の日に再検査を行い、再び「糖尿病型」が確認されれば、糖尿病と診断します。 ★ただし@〜BのいずれかとCが確認されれば、糖尿病と診断します。 またCの反復検査のみで、糖尿病と診断することはできません。 血糖値が糖尿病型(@〜Bのいれずか)を満たし、C、Dのいずれかを満たした場合は、 糖尿病と診断します。 C 糖尿病の典型的な症状がある (のどが渇く、水分をとる量が多い、おしっこの量が多い、体重が減る) D 確実な糖尿病性網膜症の存在。 |
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−HbA1C迅速検査− ここ1〜2カ月の血液中のブドウ糖濃度を反映した数値がヘモグロビン・エー・ワン・シー(HbA1C)です。糖尿病の診断や経過観察に必要です。少量の血液があれば、3分で結果がでます. |
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−神経伝導検査− 糖尿病の方に下肢末梢神経障害の評価に使用します.足のくるぶしからふくらはぎに沿って走る腓骨神経の神経伝達速度と振幅(大きさ)を測定して神経障害の評価が可能となります. 腓腹神経は糖尿病性神経障害の影響が最も早期に出現します. 下肢虚血の発見につながる大事な下肢末端の神経です. |
■糖尿病の分類 1)インスリン依存型(I型)糖尿病 ウイルス感染や自己免疫により膵臓が破壊されておきる糖尿病です。全体の5%の方が、こちらのタイプの糖尿病です. 2)インスリン非依存型(II型)糖尿病 遺伝要因にくわえて、食べ過ぎ、運動不足、ストレスが加わって発症する糖尿病です。95%の糖尿病がこのタイプです. 糖尿病は深刻な合併症(神経障害、網膜症、腎症、動脈硬化症など)を引き起こすことがあり、早めの治療・対策が必要です. ■ 糖尿病検査 ・HbA1C、血糖値検査 糖尿病のここ1〜2カ月の評価としてHbA1C(ヘモグロビン・エーワンシー)という国際標準の糖尿病の評価項目があり、当院においても3分でその検査が可能です. ・尿中アルブミン検査 糖尿病性腎症は、糖尿病患者全体で約25%に認められます.進行していくと心血管疾患による死亡のリスクも増加するといわれており、早期発見、早期の多角的介入が重要です. 早期腎症の診断に尿中アルブミンの測定を行います.糖尿病の方は、年に1回は検査することが望ましいとされています. ・糖尿病性末梢神経障害検査 糖尿病性神経障害は自覚症状は乏しいものの、糖尿病合併症の中では最頻であるといわれています.簡易診断基準にあるように、ベッドサイドでアキレス腱反射、内踝での振動覚検査で評価しますが、早期診断には不十分なため早期に神経障害が発症しやすい腓腹神経の神経伝導速度と活動電位を簡易的に測定する感覚検査を実施しております. ■当院の治療 当院では、運動療法、食事療法を十分して頂き、飲み薬やGLP-1注射、インスリンの注射による薬物療法を行っています. 糖尿病の教育入院や、著しいコントロール不良な方でインスリン治療も含めた治療導入が速やかに必要な方は近隣の医療機関と連携して治療を行います。また年1回の定期的眼科受診をすすめ糖尿病性網膜症の発見に努めています. |